2017-04

お恥ずかしながら読んでいませんでした日記① 『カラマーゾフの兄弟』

随分と春らしくなってまいりました。今日などは、たっぷり鶯の鳴き声を堪能することができました。まるでお手本のような「ホーホケキョ、ピチチチチ……」。美しかったです。
さて。
わたくし紺堂カヤ、年末年始に、「いつか読もうと思っているが読めていない本」の中から十冊をピックアップして今年中に読むことを目標としておりました。また、読み終わったら感想を書く、と宣言いたしました。
その中のひとつ、ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』を読み終えましたので、宣言どおり、読んだあとの感想を書かせていただこうと思います。「お恥ずかしながら読んでいませんでした日記」、ここからスタートと相成ります。
なお、できるだけ配慮はするつもりですが、「これから読むので内容を知りたくない」という方は以下、お読みにならない方がよろしいかと思います。物語の筋にまったく触れずに感想を書くのはやはり無理があるので……。


と、いうところまでを前書きとさせていただきまして。
本当にお恥ずかしながら、わたくし、ドストエフスキーをそもそも読んだことがございませんでした。
なので、『カラマーゾフの兄弟』が私にとっての「初ドストエフスキー」となったわけでございます。
誰に媚びることもない自己満足の感想文なのですから、率直に書かなければ意味がありませんので正直に申しますが、とにかく、長い。ええ、長いのです。これはもう読み始める前からわかっていたことで、実際に読み始めるまでのハードルとして最も高いものであったのですが、何の誇張もなく、長い。
しかしながら、長いわりにダダダッと勢いよく読み進めることができたな、というのもまた正直な読後の印象でございます。まるで、ジェットコースターのような加速で読みきりました。
とはいえ、ジェットコースターの加速というものは下るときに起きるもの。つまり、一度は上がらないといけないのです。その「上がっていく苦しみ」がまさに冒頭にあります。物語の主人公である「三兄弟」の父親、フョードル・カラマーゾフに関する記述なのですが、これがなかなかに読むのがつらい。ここで挫折した方はきっと多かったのであろうと思われましたし、実際私もここで挫折しかかりました。
ですが、なんとかここを乗り切ってしまえばあとは加速するばかり!
『カラマーゾフの兄弟』を愛してやまぬ友人から「最高のエンターテイメントだよ、キャラ読みできるよ!」と言われたとおり、実にエンタメ性も強いものとして読むことができました。
読み方として私が一番楽しかったのは、「三兄弟」の中から「推し」をみつけること。以下、三兄弟の印象を述べておきます。紹介ではなく、私が読んで感じた印象、です。
長男・ドミートリィは大胆で豪快で「カッコいい男」の雰囲気を持ち合わせているのに考えが浅くていろいろとトラブルを起こす人物。際限なく繰り出されるおしゃべりは時に朗らかで時に情熱的で……、時に支離滅裂。こいつバカなのでは!?と思うこともあれば、でも彼の姿こそが人間というものだよな、と思わされることもあり、非常に目が離せない存在。
次男・イワンは理論派で実質的で「賢い男」そのものという感じなのに、その賢さゆえの繊細さで自分の考えと周囲の考えに苦悩させられてしまう人物。お硬く筋の通った話し方は時に人を引きつけ、時に人を遠ざける。お前もうちょっと楽に生きてみたら!?と思うんだけれど、それができないところがむしろ良い、というねじれた魅力を持つ存在。
三男・アレクセイは清純で正直で慈悲深い「神の子」のような青年。感じやすく、その分傷つきもするけれど、決して弱くはない、芯のしっかりした考えと話し方を持つ。初めはなんて可愛らしい!と思うんだけれども次第に、この子本当に人間なのかな!?と思えてくる、清く正しすぎていっそ恐ろしくなってきてしまうという不思議な存在。
とまあ、それぞれとても魅力的なんですけれども、その中での私の推しは次男のイワン。いやー、もうホント「お前の気持ちはよくわかる!!!」と目の前で首を縦に振りまくってやりたい気持ちですわ……。
これだけ三兄弟の描写が素晴らしい作品であるだけに残念だったのは女性の描き方なんですけども(いかにも男性が偏見で書いた、そしてその偏見を微塵も悪いとは思っていないまま書いた、というような失笑を禁じ得ない女性像)、まあこの時代のロシアの男性作家ならば仕方がないのかなあ、という感じですか……。
まだまだ、語り尽くせていないのですけれども、もうすでにかなりの長さになってしまいましたので、このあたりにしておきます。
繰り返しの発言にはなりますが、まとめると。ロシア文学を読んだ、というよりはかーなりかーなり上質なエンターテイメントを見ることができた、という気持ちです。
今回私は新潮文庫の原卓也訳を読んだのですが、訳によってもまた違う楽しみ方ができそうですので、もうしばらくあとにでも、違う訳で読んでみたいと思っています。
『カラマーゾフの兄弟』、死ぬ前に読むことが出来て本当に良かったです。



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プロフィール

紺堂カヤ(華夜)

Author:紺堂カヤ(華夜)
文筆家。
日々悪戦苦闘、ただしマイペースに。
文学と声をこよなく愛する。
二つ名は「筆舌破天候ガール」
創作サークル「つばめ綺譚社」にて小説を書いています。
また、クラウドゲート㈱のWTRPG「ファナティックブラッド」にてシナリオをリリース中。

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