2018-02

お恥ずかしながら読んでいませんでした日記⑤『倫敦塔』

2018年になってもう二か月経過していますけれども、こちらの記事はまだシーズン1、2017年度のくくりになります。
まあ、その区別してるの私だけなのでなんだっていいんですけど。

と、いうことで。
夏目漱石『倫敦塔』を読みました。
夏目漱石を敬愛していることを公言しているわたくしとしましては、これを読んでいなかったというのは非常に恥ずかしいことなのでございますが、ここは恥を忍んで白状しておきます(そもそもそういう企画ですからね)。
今更でも何でも、読んで良かったと思います。
本当に。
きっと説明の要はないと思いますが、一応。『倫敦塔』は、漱石のイギリス留学中の出来事をもとに、イギリスの歴史を幻想的に描いた作品でございます。
夏目漱石の作品の、情景描写はここから端を発しているのだと思いました。写実的なのに、どこか夢みがちな表現(だと私が、思っているだけなのですが)は、この幻想性を根っこにしていたのだなあ、と。
そうした、幻想的な表現の美しさももちろんこの『倫敦塔』の魅力であるに違いないのですけれども、私が一番ときめいたのは、漱石先生の照れが、作品中、多分に見られることです。
想像してみる、想像してみる、としつこいくらいに繰り返して書いているのも可愛いし、その上でなお作品の文末に「これは想像だからそのつもりで読んでね」と書いちゃってるのも可愛い……。
たぶん、本当は照れとかじゃなくて「俺、本当にこんなの見たわけじゃないから!!俺、やべーヤツじゃねえから!!」って言っておく必要があったのかな、とは感じるものの、それでも、私は照れに見えてしまってニヤニヤしました。
ジェーン・グレイについての記述は、個人的にちょっとタイムリーでした。『怖い絵展』が話題になっていたこともあって、ちょっと興味を持って調べていたところだったので。西洋史をもっと勉強すべきだよなあ、と思っています。
なお、私が読んだのは、新潮文庫の『倫敦塔・幻影の盾』に収録されているものです。
まだ一冊読み切っていないので、ちょっとずつちょっとずつ大事に読み進めようと思っています。

自己満足読書企画シーズン2

節分も終わり、立春が過ぎ、ほんとうに「暦が変わった」という感じになってまいりました。
桜前線の予想も発表されておりますし、実際に桜の木の蕾も目立つようになってきましたし、まだまだ寒いとはいえ、着実に季節が巡っているということがわかります。
さて。
私の自己満足企画である「お恥ずかしながら読んでいませんでした日記」の、シーズン2バージョンを告知いたします。
(「お恥ずかしながら読んでいませんでした日記」って何?というのは過去の記事「今年も、書くこと読むことを」をご覧ください)
ええ、わかってます。
これを楽しみにしている方などほとんどおられないということは。
でも、いいんです。自己満足企画ですから。申し訳ないことながら。
2017年の年初に、10冊挙げた作品は、残念ながらすべて読みきることができませんでした。ので、読み終えた作品を他の本に差し替えて、今年も10冊、挙げさせていただきたいと思います。
読んだんだけど、まだ記事にできていない、という作品も実はいくつかあるので、それは2017年分として後日記事にします。

「お恥ずかしながら読んでいませんでしたシリーズ・シーズン1(2017)」
夏目漱石『倫敦塔』→読了。未記事。後日記事公開予定。
泉鏡花『外科室』→読了。お恥ずかしながら読んでいませんでした日記②『外科室』
太宰治『右大臣実朝』→未読。2018年に持ち越し
川端康成『古都』→読了。お恥ずかしながら読んでいませんでした日記④『古都』
谷崎潤一郎『春琴抄』→未読。2018年に持ち越し
三島由紀夫『禁色』→未読。2018年に持ち越し
澁澤龍彦『エピクロスの肋骨』→『ドラコニア綺譚集』に変更の上読了。未記事。後日記事公開予定。
稲垣足穂『一千一秒物語』→読了。お恥ずかしながら読んでいませんでした日記③『一千一秒物語』
森茉莉『甘い蜜の部屋』→未読。2018年に持ち越し
ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』→読了。お恥ずかしながら読んでいませんでした日記① 『カラマーゾフの兄弟』

以上のような結果になりました。これを受けて、今年は以下の10冊を挙げます。

「お恥ずかしながら読んでいませんでしたシリーズ・シーズン2(2018)」
太宰治『右大臣実朝』
谷崎潤一郎『春琴抄』
三島由紀夫『禁色』
森茉莉『甘い蜜の部屋』
室生犀星『蜜のあはれ』
小林多喜二『蟹工船』
志賀直哉『暗夜行路』
横光利一『旅愁』
カフカ『変身』
トールキン『指輪物語』

前年に言い忘れていたような気がしますが、こちらに挙げられている作品は、必ずしもその作家の代表作だとか有名作というわけではなく「私が読みたい」を第一基準にして選んでおります。
なんってったって自己満足企画ですから!
上記を見て「ええっ、これも読んでなかったの!?」とお思いになられた方々におかれましては、どうぞ、愚か者を見守るがごとき生暖かい目で見ていただけたらと存じます。
今年も、たくさん読んで、たくさん書きたいと考える所存です。

繋がりでもあり、区切りでもある

あけましておめでとうございます。
2018年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

とはいえ、どうにも「年を越した」という実感の薄いカヤでございます。
大晦日は例年通り、すき焼きを食べながら紅白を見て、ジャニーズカウントダウンで日付を跨いだのですけれど、イマイチ「非日常感」のないままでして。
年が変わっても、一日一日はひと繋ぎ、時間の連続でしかないのだなあ、と考えている次第でございます。
年が変わったら去年のことがリセットされるわけではなく、引き続き抱えているもの、続けていること、と向き合っていこうと思います。

しかしながら、年の変わり目をひとつの区切りとして気持ちを新たにするというのもまたよい機会でございますから、シャキッと背筋を伸ばしなおして、目標などを定めておこうと思います。
「集中力を上げる」
「時間を無駄に使わない」
という2点かな、と思います。いずれも、書くことに向き合うための目標です。ついつい、なにかやりながら、という姿勢を取ってしまうので……。不器用なくせにねえ。
年末に「腰を落ち着けて長いものを書きたい」というようなことも申しましたが、そのとおり、長年頭の中にあったものを、書いてゆきたいと思っています。

読む方面でも、今年は去年より読みたいなあと思います。
世界史も学びなおしたいですし。
読書目標については、年末にオススメしていただいた5冊に加えて、今年もまた自分ルールで目標を定めたいと考えています。また近いうちに別記事にします。

まずは、本年最初のご挨拶をさせていただきました。
皆さまにとっても、楽しい一年となりますように。

今年の三冊2017&読書目標2018

さあ。今年もこの時期がやって参りました。
今年一年で、カヤが読んだ本の中からベスト3を選ばせて頂きます。あくまでも今年カヤが読んだ本、でありますので、今年刊行された本というわけではありません、ご注意を。
では、前置きは早々に切り上げまして結果を掲載いたしましょう。

「今年の三冊2017」
ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』
村田紗耶香『コンビニ人間』
朝井まかて『眩』

今年は以上の三冊となりました。
カラマーゾフは本当に、頑張って読みだして良かったと思います。
今年は「お恥ずかしながら読んでいませんでしたシリーズ」と銘打って、実は読んでいなかった名作を意識的に読む、ということをしており、読んだら個別に感想記事を書いてきました。ですので、ここで記事にした本に関しては「今年の三冊」から外そうと思っていたんですが、カラマーゾフは外せなかったです。ええ。
(お恥ずかしながら読んでいませんでしたシリーズについてはまた別記事にしたい所存ですが年内に間に合うのだろうか)
『コンビニ人間』も本当に良かったです。この作品に共感する人が実に多い、という事実に、もっと注目してゆきたいです。
『眩』はねーーー、正直、好き嫌い分かれるのではないかと思うのですが、絵を描くことに生涯をささげた葛飾北斎の娘・お英には、ぐっと来てしまって仕方がありませんでした。「ラ・ラ・ランド」観たときと同じような感情移入ですよね……。
今年は読書量がかなり少なかったな、という感じで(ちょっと記録を見直してみたら70冊そこそこでした。少ない)三冊を選ぶにもあまり困らなかったので、来年はもっとどっさりの中から選ぶ事態にしたいな、と思います。


さて次に。
先日12月17日に締め切らせていただいた、カヤへのオススメの本を紹介させていただきます。
オススメしてくださった皆様、ありがとうございました。
以下のようになってございます。

今村夏子『星の子』
山崎ナオコーラ『母ではなくて、親になる』
温又柔『真ん中の子どもたち』
武者小路実篤『愛と死』
山田風太郎『明治断頭台』

来年はこの五冊を読書目標とさせていただきます!
なお、今年の読書目標の六冊はすべて読み終わりました!駆け込みも何冊かあったけど!
上の、今年の三冊の中の一冊『コンビニ人間』は、このオススメ本のうちの一冊ですから、やっぱり、人にオススメしていただく機会というものは大事にしていきたいなあ、と思います。
来年も、よい読書をしてゆきたいです。

読んでいる人、人が読んでいる本

町で本を読んでいる人に出会うと、少し嬉しくなります。
私はいつも、地下鉄の座席で本を開いているのですが、紙の本を持っているのは私ひとり、という状況は珍しくありません。
進行方向と平行に作られた地下鉄の座席は、一番長いもので一列に七名座ることができるのですが、ふと目を上げて向かいのその一列を見ると、七名の女性が全員同じ姿勢でスマホを持っていた、ということがありました。よくできた風刺映画でも見ているのかと思いました。
スマホを見ていることが悪いだなんて決して言いません。私だって電車の中で見ていること、ありますし。でも、自分以外の人が本を開いているのを見ると、無条件に嬉しくなってしまうのもまた、事実なのです。
先日、原稿を進めるために入ったコーヒーショップで、カウンターに座りました。私の両脇にはすでに先客がいて、どちらも女性でした。大学生くらいの年頃の明るい髪色の女の子と、四十歳くらいの頬がふっくらした女の人。ふたりとも、書店のブックカバーがかかった文庫本を開いていました。
(なんて素晴らしい!)
私は反射的にそう思ってしまって、コーヒーを置いて席に着いたあと、かばんの中から原稿用のノートではなく、文庫本を取り出して開きました。
カウンターに三人。横一列に、本を読む女。
もちろん、三人ともに面識はありませんし、席をたつまでただの一言もかわすことはありませんでした。でも、あの一列には確実に、何か連帯感のようなものが生まれていました。


こうして本を開いている人を見かけると、どんな本を読んでいるのか気になってしまいます。たいていは、ブックカバーがかかっていてわかりません。
不審に思われない程度にそうっと、本の中身を覗いてみることもありますが、それでもたいていは、わかりません。
何か手がかりを得て、本のタイトルがわかったりするとガッツポーズを取ってしまいたくなります。
あるとき、電車で、つり革につかまりながら読んでいた少女の持つ文庫本が遠藤周作の『沈黙』であるとわかったときの、この私の多幸感!
少女に握手を求めたいのをぐっと我慢し、私は彼女が大きな駅で乗り換えていくのを見送りました。
こんなことは、稀です。
たいていは、わからぬまま「知りたかった……」となって終わるのです。
そう。先ほど書いた、コーヒーショップでの横並び読書も、両隣で読み進められている本が何であるかはわかりませんでした。頬がふっくらした女の人、ときどきクスクス笑ったりして物凄く楽しそうに読んでおられたんだけれども、一体どんな本を読んでいたのかなあ。気になるなあ。

オススメの本の募集は、12/17までおこなっております。
よろしければ是非お願い致します。

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プロフィール

紺堂カヤ(華夜)

Author:紺堂カヤ(華夜)
文筆家。
日々悪戦苦闘、ただしマイペースに。
文学と声をこよなく愛する。
二つ名は「筆舌破天候ガール」
創作サークル「つばめ綺譚社」にて小説を書いています。
また、クラウドゲート㈱のWTRPG「ファナティックブラッド」にてシナリオをリリース中。

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